無為を愛することにした

雨降りの休日が好きだ。
雨は、部屋で一人の僕を肯定してくれる。

晴れてしまえば、外で遊べてしまう。外で遊べてしまえば、外で遊ばなくてはならない気がしてしまう。
雨が降れば、外で遊べないし、外で遊ばなくていい。
雨は、部屋にこもってぼーっとする僕を赦してくれる。



ここ数ヶ月、やたらと孤独を感じる。
僕は元々友達が少なく一人で過ごす時間が多いけど、急に孤独を感じるようになった。歳を重ねるほどに体力がなくなり、心まで弱くなってしまったんだろうか。

孤独を解消するためにいろいろと試してみた。


まず、本や映画に浸ってみた。
物語に没入することで現実世界の孤独を忘れようという戦略だ。
これ、始めは良かったんだけど、ある時からガクッと興味のある本や映画が見つからなくなり、見ても面白いと思うことが少なくなった。なんでかはわからない。飽きたのかな。

次に、仕事に打ち込んでみた。
幸いなことに仕事は恐ろしいほどの裁量とやりがいを与えてくれたが、打ち込めなかった。打ち込みようはいくらでもあったけど、打ち込むためのエネルギーがなかった。
僕にとって、あくまで仕事はエネルギーの消費どころであり、得どころではないんだと感じた。

さらに、ジムに通い始めた。
これはなかなかいい。今までも何回か通おうとしては三日坊主で終わっていた僕が週1.5回を2ヶ月ほど続けている。
痩せたいとかムキムキになりたいとかではなく、ただ気を晴らすために通っている。なかなかいいけど、ジムが僕の日常に与える影響はほんの小さなものだ。圧倒的に足りない。

それから、酒を飲んでみた。
孤独な人間は酒を飲みがちらしい。なるほど確かに飲みたくなる。酒を飲むことは身体にはよくないだろうけど、それでも孤独な人間が酒を飲みがちなのは、身体の健康を害してでも守るべき何かを守っているんだろう。
しかし、先日調子に乗ってひとりで飲みまくっていたらひどい二日酔いになった。貴重な休日を夕方まで何も食べれず吐いては眠ってを繰り返して過ごすハメになった。しかも一人で酔ったものだから誰にも介抱してもらえないし、バカなことしたと笑い合うこともできない、話すことがなければ思い出にもならない。さすがにバカらしいから飲酒は控えることにした。


そして、占いに行ってみた。
大仰なものではなく、予約不要でパッと入ってみてもらえるところだ。元々占いは好きだけど、当然ながらお客さんは女性ばかりで躊躇った。昼食前に行く予定が昼食後に行ったぐらい躊躇った。

躊躇いに打ち勝ってやっと会えた占い師の先生にはこんなことを言われた。
まず、「あなたはこれまでいろんな人に甘えて生きてきたから、今はひとりで生きる修行なのよ」と。
続けて「あんたは2016年と2017年が運勢悪くて、その中でも2017年の来月、再来月が最悪の月だね。この期間はとにかく受け身でじっとしてなさい」と言われた。

いやいや、なんで修行しなくちゃいけないの?一生甘えて生きさせてくれよ。しかもこれからまさに運勢最悪!?勘弁してくれよ。
…とは思ったものの、なんとなくほっとした。ああ、この孤独感はそういう時期だからなのか。
漠然と続く実態のない不安に理由を与えてもらえた。

そして「とにかく受け身でいなさい」との指示。
元々超絶受け身な性格だけど、現状の不安を打開するには受け身ではなく能動的に行動しなくてはダメなんだと考えていた。
そこへ「受け身でいなさい」の言葉をもらった。受け身でいろと言われたら、能動的でいられないし、能動的でいなくていい。
占いは、受け身な僕を赦してくれた。

占い然り、雨の休日然り、僕は始めから何もしたくなかったんだと気づいた。
目指すべきは能動的なアクションではなく、何もしない無為な時間だったんだ。

そんなわけで。
無為を愛することにした。


占いを受け、このブログを書き始めたのが7月末。

無為を愛していたらブログを書くのも後回しに3ヶ月が過ぎちゃったよという話。
まだまだ無為を愛していきたいね。

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