無為を愛することにした
雨降りの休日が好きだ。
雨は、部屋で一人の僕を肯定してくれる。
晴れてしまえば、外で遊べてしまう。外で遊べてしまえば、外で遊ばなくてはならない気がしてしまう。
雨が降れば、外で遊べないし、外で遊ばなくていい。
雨は、部屋にこもってぼーっとする僕を赦してくれる。
ここ数ヶ月、やたらと孤独を感じる。
僕は元々友達が少なく一人で過ごす時間が多いけど、急に孤独を感じるようになった。歳を重ねるほどに体力がなくなり、心まで弱くなってしまったんだろうか。
孤独を解消するためにいろいろと試してみた。
まず、本や映画に浸ってみた。
物語に没入することで現実世界の孤独を忘れようという戦略だ。
これ、始めは良かったんだけど、ある時からガクッと興味のある本や映画が見つからなくなり、見ても面白いと思うことが少なくなった。なんでかはわからない。飽きたのかな。
次に、仕事に打ち込んでみた。
幸いなことに仕事は恐ろしいほどの裁量とやりがいを与えてくれたが、打ち込めなかった。打ち込みようはいくらでもあったけど、打ち込むためのエネルギーがなかった。
僕にとって、あくまで仕事はエネルギーの消費どころであり、得どころではないんだと感じた。
さらに、ジムに通い始めた。
これはなかなかいい。今までも何回か通おうとしては三日坊主で終わっていた僕が週1.5回を2ヶ月ほど続けている。
痩せたいとかムキムキになりたいとかではなく、ただ気を晴らすために通っている。なかなかいいけど、ジムが僕の日常に与える影響はほんの小さなものだ。圧倒的に足りない。
それから、酒を飲んでみた。
孤独な人間は酒を飲みがちらしい。なるほど確かに飲みたくなる。酒を飲むことは身体にはよくないだろうけど、それでも孤独な人間が酒を飲みがちなのは、身体の健康を害してでも守るべき何かを守っているんだろう。
しかし、先日調子に乗ってひとりで飲みまくっていたらひどい二日酔いになった。貴重な休日を夕方まで何も食べれず吐いては眠ってを繰り返して過ごすハメになった。しかも一人で酔ったものだから誰にも介抱してもらえないし、バカなことしたと笑い合うこともできない、話すことがなければ思い出にもならない。さすがにバカらしいから飲酒は控えることにした。
そして、占いに行ってみた。
大仰なものではなく、予約不要でパッと入ってみてもらえるところだ。元々占いは好きだけど、当然ながらお客さんは女性ばかりで躊躇った。昼食前に行く予定が昼食後に行ったぐらい躊躇った。
躊躇いに打ち勝ってやっと会えた占い師の先生にはこんなことを言われた。
まず、「あなたはこれまでいろんな人に甘えて生きてきたから、今はひとりで生きる修行なのよ」と。
続けて「あんたは2016年と2017年が運勢悪くて、その中でも2017年の来月、再来月が最悪の月だね。この期間はとにかく受け身でじっとしてなさい」と言われた。
いやいや、なんで修行しなくちゃいけないの?一生甘えて生きさせてくれよ。しかもこれからまさに運勢最悪!?勘弁してくれよ。
…とは思ったものの、なんとなくほっとした。ああ、この孤独感はそういう時期だからなのか。
漠然と続く実態のない不安に理由を与えてもらえた。
そして「とにかく受け身でいなさい」との指示。
元々超絶受け身な性格だけど、現状の不安を打開するには受け身ではなく能動的に行動しなくてはダメなんだと考えていた。
そこへ「受け身でいなさい」の言葉をもらった。受け身でいろと言われたら、能動的でいられないし、能動的でいなくていい。
占いは、受け身な僕を赦してくれた。
占い然り、雨の休日然り、僕は始めから何もしたくなかったんだと気づいた。
目指すべきは能動的なアクションではなく、何もしない無為な時間だったんだ。
そんなわけで。
無為を愛することにした。
占いを受け、このブログを書き始めたのが7月末。
無為を愛していたらブログを書くのも後回しに3ヶ月が過ぎちゃったよという話。
まだまだ無為を愛していきたいね。
- 作者: しいたけ
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尊敬する先輩について
あなたには目標としたり師と仰ぐ上司や先輩がいるだろうか。
もちろん僕にも尊敬できる人は多くいるけど、尊敬できるからといってその人になりたいとか憧れることにはならない。
僕にはそういう人がいないなあと長らく思っていたんだけど、いた。
この人は間違いなくそうだ。新卒で入った会社の先輩だ。
先輩はハードワーカーで、ムードメーカーで、ガチ体育系出身で、ヘビースモーカーだった。
それぞれの要素を取ってみてもそれほど憧れないけど、先輩は憧れだった。
ふつうキャリアとか職種とかを考えたときの仕事っぷりを尊敬したり手本にするものだと思うけど、先輩のキャリアには憧れないし、そうなりたいとも思わない。
僕が憧れたのは先輩の生き様だった。
先輩の何がそんなに良いのかうまくは説明できないので、個々のエピソードを綴る。
- 初日
僕が入社した初日、デスクには額に肉とか口ヒゲとか小学生みたいな落書きをされた女優のうちわが置かれていた。
「これ入社祝いね」と言われた。
僕は社会人になって2年半、3社目の今でもそのうちわを使っている。
なかなか丈夫だ。
- 風俗
先輩は給料が入ると毎月風俗に行っていた。
給料日じゃなくても「ア〜〜〜風俗行きて〜〜〜」と仕事しながら呟いていた。
「昨日のこの子がマジで最高だったんだよ」とホームページを指差して教えてきたりもした。
「彼女はめんどくせえし風俗最高っしょ」という姿勢にオス的な強さを感じた。
- 彼女
彼女ではなかったかもしれないけど、「キャバ嬢と同棲するかもしれねえ」と言っていた。
店に通って口説いてよく家に泊まりに来る仲になったそうだ。すごい。
しばらくして「どうなったんですか?」と聞いたら「あいつの部屋の汚し方がマジでひでえからブチギレて追い出した」とのことだった。
先輩は潔癖なほどの綺麗好きでもあった。
- 麻布
先輩は麻布の風呂なしアパートに住んでいた。
別に麻布は会社から近くはないし、風呂なしアパートに住むぐらい余裕がないなら他の街に住めばいいのに。
それでもわざわざ麻布に住むのが先輩だった。
- ブログ
先輩はブログを書いていた。
先輩の好きな趣味のことや日常の素朴な疑問を取材してネタにしていた。
ブロガー同士の繋がりを嫌い1人で研究しながら All About のアクセス上位を取るなど結果を出していた。
- 親孝行
先輩は毎月給料から数万円を親に渡しているらしかった。
給料日に父親からからの電話に出たあと「今日仕事終わり会いに来るって。ヤクザだよなまったく」と笑っていた。
給料日に限らずしょっちゅう食事に行っているようだったし、両親のことを楽しそうに語ることも多く、かなり仲が良さそうだった。
- 髪型
先輩は髪を切る度に毎回違う髪型にしていた。
ある時はターミネーター2のジョン・コナーみたいな髪型で、
ある時は長い髪を後ろで結んでチョンマゲを作っていた。
学生時代からずっと変えていると言っていた。
毎回同じなんてもったいないだろとかそんな理由だった気がするけど、忘れた。
- スカッシュ
先輩はいきなりスカッシュに通い出した。
「全国3位の人がコーチなんだ!これで俺もオリンピック目指すぜ!」と言って、会社にラケットを持ってきていた。
- 彼女2
やはり先輩はモテる。
僕もいた飲み会で先輩は先輩を気に入った女の子を持ち帰り、そのままその子と付き合った。
その子と言いつつその女の人は先輩よりも歳上だった。
「まあ、向こうは良い歳だから向こうが望むなら結婚するつもりだよ」と語っていた。
しかしその人との関係も短い間に終わってしまったようだった。
詳しいことは知らない。
もっといろいろあるけど、量が多いのでこれぐらいにしておく。
(特に仕事での調整や凄まじいハッタリスキルでずいぶん守ってもらった)
気付けば僕は最後に会った先輩の歳になっていた。
僕はエンジニアとしていろいろな経験をさせてもらっている自負があるし、当時の先輩と比べ単純な技術力では特別劣っているとは思わない。
しかし、当時の先輩をまるで超えられない。
これからいくら技術を身につけたとしても、仕事ができるようになったとしても、人間として先輩を超えられる気がしない。
絶望的なほどに高い壁がある。
いつも全力でかっこつける先輩は、単純に、かっこよかった。
最近、ドラマ『火花』を観た。
先輩のかっこよさは神谷に似ている。
会社を辞めてから連絡さえ取っていないけれど、先輩の伝記を書いてみるのはいいかもな、と思った。
- 作者: 又吉直樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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伊豆シリコンバレー化計画?
昨日は両親が東京に来て一緒にご飯を食べるなどしました。
僕の父は定年退職した80歳ぐらいのおじいさんですが、やたらエネルギッシュで、今回はなかなか壮大な構想を語ってくれました。
その名も
伊豆シリコンバレー化計画
この名前は僕が勝手に付けました。
"シリコンバレー"って言葉はちょっとダサいので他の言葉が欲しいですね。
伊豆シリコンバレー化計画とは?
名前で大体わかると思いますが
伊豆をシリコンバレーのようにIT企業がたくさん集まるITの聖地にしよう
という構想です。
僕の出身は伊豆です。
両親は今も伊豆に住んでいます。
伊豆といえば海を想像する人が多いかもしれませんが、温泉もたくさんあります。
特に僕の地元は 伊豆長岡温泉 が近くにあり温泉旅館もたくさんありますが、近年次々に閉鎖されているらしいです。
そんな閉鎖中の温泉旅館を改築してオフィスにし、IT企業に使ってもらおう
という計画です。
オフィスに温泉付いてたら魅力的じゃね?
ついでにジムとか付ければIT企業来るっしょ!
農業やらで若者呼ぶより絶対効果あるっしょ!!
というノリです。
ほんとに魅力的?
ほんとに魅力的だと思います。
とりあえず僕という1人のITエンジニアの意見として 温泉めっちゃいいですね。
他の職種はわかりませんが、エンジニアは特にデスクワークが多く身体に負担がかかる上に頭を使う仕事で性格は合理主義のため健康志向の人が多く、温泉とか好きな人も多い印象はあります。
SPAJAMとかもあるしIT系の人はみんな温泉好きなんじゃないかな?
※SPAJAMは「温泉でハッカソン」をする日本最大級(?)のハッカソンイベントです
spajam.jp
また、伊豆は意外(?)と東京へのアクセスが良いです。
三島から東京が新幹線で1時間弱なので、伊豆長岡から東京でも1時間半程度で行けます。
週2回東京の会社とミーティングが必要でも、1時間半なら行けそうじゃありませんか?
1時間半の労力と引き換えにオフィスに温泉が付くのであれば僕は温泉を選びます。
実現できるのか?
実現可能性はまったくわかりませんね。
だって父は権力者でもないし旅館や行政にツテがあるわけでもなく普通の無職のおじいさんです。
さらに本当に偏見なのですが、役所の人ってこういう話持ちかけられてもめんどくさがるだけじゃないですか?
父はクレーマー気質なところがあるので余計、めんどくさい人として一蹴されそうです。
そもそも、IT企業の気持ちをIT経験ゼロの80歳のおじいさんが代弁したところでまったく説得力ありません。
良い案だと思うんだけどなあ、どうなんだろう。
支持さえ集められるのならば別府市の湯〜園地計画みたいにクラウドファンディングするのも楽しそうです。
camp-fire.jp
クラウドファンディングするにしても掲載までに行政に認められたり協力的な旅館を見つけたりクラウドファンディングに載っけるムービーを作成したり、かなりの人を動かす必要がありそうです。
どのくらい実現可能性のある話なんでしょうか。まったくわかりません。
とりあえず父はこれから資料を作って役所へ持ちかける(というかもう既に話しに行ってる?)と言っていました。
まとめ
僕の気持ちとしては
- IT企業及び僕からしたらかなり魅力的なんじゃないかな
- 使われてない温泉旅館を有効活用できるし社会のためにもなりそう
- 僕個人は東京も好きなのですぐさま実現してほしいってわけでもない
という感じです。
上2つの理由とせっかく父ががんばっているのだから応援したい気持ちはあります。
しかしどうすればいいのかマジでわからないし、とりあえずおもしろい話だからブログに残しとこう、と思った次第です。
昼休みに温泉入ったら眠くなりそうですね。
就業後は飲み会じゃなくてみんなで温泉で語らうとかも魅力的。
仕事前の朝風呂めっちゃしたい。
- 作者: デイヴ・アスプリー,栗原百代
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AirPodsいいぞ
4月半ばに AirPods を入手したのでレビューを書きます。(今更)
AirPodsとは?
2016年のAppleのイベントで発表されました。
発表時は「2016年10月下旬発売」とのことでしたが、"下旬"という曖昧な表現から漂う不安は裏切られず、発売は12月13日となりました。
まあ発売が1ヵ月半遅れるぐらいなんでもありませんが、驚くべきことに発売2日後からから5ヵ月が経とうとしている今日(5月11日)まで 6週間待ち という状態が続いています。
AirPodsの入手
もちろん6週間待って入手する方法もありますが、店頭在庫を狙い撃ちすることで待たずに入手できます。僕はこの方法で入手しました。
店頭在庫入手の方法はこことかに詳しく書いてあります。 mag.app-liv.jp
僕はこの方法を donguri.fm で知りました。
ありがとう、donguri.fm!! (というか narumi さん)
AirPodsの良いところ
- つけ心地がノーストレス
もともと他にワイヤレスヘッドホンを持っていましたが、AirPodsは格段につけ心地が軽いです。
付けてもらわないことにはわからないでしょうが、強いて言うなら 付けながらご飯を食べれるぐらいノーストレス です。
イヤホン付けながらご飯食べるってけっこう嫌じゃないですか?
それが人類の共通認識だと信じて語りますが、付けながらご飯を食べれるぐらいノーストレスなんですよ。すごいでしょ。
他のデメリット全てを吹き飛ばすぐらいにこれがサイコーで最強です。
- ペアリングのスムーズさ
iPhoneの近くでケースのフタを開いてワンポチ、です。
これも使ってみなければわからない且つ説明が面倒なのでとにかく使ってみましょう。
AirPodsの悪いところ?
- 落としそう?
今のところ ほぼ 落としていません。
走ったりしてもけっこう大丈夫なんですが、物理的にぶつけたら落とします。
落としそうっていうか 落としたらなくしそう なのが問題なんですよね。
それはたぶんその通りなんですが、ぶっちゃけなくした経験がないと全然問題に感じませんね。
- ダサい?
そうでもないんじゃない?
センスは好みの問題なのでわかりませんが、AirPodsを付けていることは 一定程度の社会ステータスの証明 になるのです。
AirPodsを知ってる時点でそれなりのITリテラシーというかガジェットリテラシーがあるし、所持していればなおのことそうだし、1.6万のよくわからんそれをポンと買えるのはまあ最低限まともに働いているからこそでしょう。
したがって、サンダルに短パンTシャツのだらしない格好をしていてもAirPodsを付けていれば 「あ、この人はまともな人だけど今はリラックスした格好をしているのね」 と見てもらえるんじゃないでしょうか(たぶん)
- ボタンがない
強いてこれが唯一最大の欠点かと思います。
「片耳から外すと再生」「両耳につけると再生再開」というサイコーな機能があるんですが、それ以外の「音量操作」「次の曲」「前の曲」の操作ができません。
いちいちiPhone から操作しなければいけません。これはイタい。
AirPodsは2タップで Siri を呼び出せるんですが、ぶっちゃけ Siri 使いませんよね。
まとめ
本日伝えたいことは3つ
- 巷でよく聞く欠点は個人的にそうでもない
- 唯一の欠点はボタンがないこと
- 他のデメリット全てを吹き飛ばすぐらいにつけ心地の軽さがサイコーで最強
あとなんか書こうと思ったことある気がしましたが忘れました。
音質は違いがわかりません。
beatsXは知りませんが楽しさを選ぶならAirPodsでしょう。
とにかく、AirPodsはいいぞ。
Apple AirPods 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 マイク付き MMEF2J/A
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センスだけが足りない焦り
2ヶ月前に引っ越しました。
ちょうどその頃仕事が忙しかったりその後すぐサンフランシスコに行ったせいで、部屋がずっと引っ越し後のごちゃごちゃした状態のままでした。
帰国して数日の休日も経て今日でようやく部屋が片付いたかな、という感じです。
さあ、家具を買うぞ!ソファーが欲しいぞ!
...と思ったけど、あれ?どこでどんなソファーを買えばいいんだろう。
さて、ゴールデンウィークです。
残念ながら少し仕事が残って1日は出勤しますが、2日以降は休みで6連休です。
さあ、連休だ!ボーナスも残ってるし、気分転換に遠くへ行こう!
...と思ったけど、うーん、どこに行けばいいんだろう。
僕は決してお金持ちではありませんが、社会人になってしばらく経ち、一通り買いたいものを買い、引っ越しも済ませ、ようやくお金に余裕ができ始めました。
よっしゃ〜これからはある程度好きなものを選んで買えるぜ!
と、喜ぶべき状況のはずなのに...悩ましい。
お金がないうちはとにかく一番安いやつを選べばよかったのでどれを買うかなんて迷うことはありませんでした。
買えるものを買って満足するしかなかったし、満足できなかったとしてもそれはお金がないせいでした。
当然のように「お金さえあれば自分はもっとカッコいい買い物ができる」と信じていました。
しかしお金ができたことで「お金があってもセンスがないとカッコいい買い物はできない」ことに気づきました。
そして僕はセンスがありませんでした。
センスだけが足りないんです。
誰のせいでもなく"ただ自分に才能がないせい"なのです。
お金がない悩みとはまた違った絶望があります。
自分のポテンシャルの底に到達してしまった気分です。
繰り返しますが、僕は決してお金持ちではありません。
ポテンシャルが浅いから相対的にお金がある感覚がしているだけです。
僕がこの投稿で「お金がある」と強調するぶんだけ「僕はセンスがありません」と言っていることになるのです。
そうそう、仕事でもそうなんです。
ずっと「そのうち企画的なことやりたいな〜」と思っていたことが予想外に叶って「じゃあ企画してみなよ。面白かったら会社でやるから」と言われてしまいました。
う、うん、や、やったー。
....でも、どうすればいいんだろう?
やりたいとは言いつつなんの努力もしていませんでしたし勝手にまだ先の話かと思っていました。
チャンスが与えられないうちは「チャンスないからな〜」と言い訳することができましたが、チャンスが与えられてしまえばそんな言い訳はできません。
できないとすれば誰のせいでもなく"ただ自分に才能がないせい"なのです。
センスだけが足りないんです。
今まで奥底に潜んでいてなかなか実態を拝むことのできなかった「自分のポテンシャル」がいきなり白日のもとに晒されたような心地です。
幸運に恵まれたことで、今まであまり感じたことのない焦りを覚えています。
少しずれた話になるかもしれませんが、今の僕のような気持ちを「焦燥」と言うのでしょうか。
ちょうど最近読んだ『ぼくは勉強ができない』で、大学進学など進路に悩む主人公「時田秀美」に対して年上の彼女「桃子さん」が以下のように諭していたのが印象的でした。
焦燥というのよ。(中略)でも、それって、ちっとも、だいそれた気持じゃないのよ。大きな服を着せられた子供がむずかるようなものよ
僕も、いきなり晒されたポテンシャルがびっくりしてしまって、この焦燥をだいそれた気持ちに感じてしまっていたようです。
「大きな服を着せられた子供がむずかるようなもの」ならば、身体が大きくなるのを待ちましょうかね。
いろいろ幸運には恵まれましたが、まだ「桃子さんみたいなサイコーのお姉さんが欲しい」という願いが叶ってないので、これが叶ったらがんばりますね。
- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/05/08
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サンフランシスコで自炊した写真を振り返りながら思い出に浸る
3月半ばから1ヶ月間サンフランシスコに行ってきました。
いや、僕だってね。
サンフランシスコで一ヶ月過ごしたからといってそんなの大した話じゃないし、面白い話だと思っている訳じゃあないんですよ。
ただ、思い出はこうして書くことでやっと成仏するみたいなところがあるんです。
そんなに成仏させたいのか?というとよくわかりませんが、とにかく今回でサンフランシスコ関連の投稿は最後とし、この思い出を成仏させます。
自炊生活
サンフランシスコは物価が高く、ご飯はおいしくありません。さらに僕も先輩もお金がありませんでした。
必然的に、僕らは自炊をしました。
僕は日本ではまったく自炊をしない外食バンザイ人間でしたが、自炊をしました。
昼は仕事のため外食でしたが夜は予定がない限り毎日自炊をしました。
先輩と僕で交互に作りその日作らなかった方が洗い物をするのが暗黙のルールでした。
暮らし始めて1週間ちょっと経ってからという意識の低さながらそれ以降は毎日撮っていたので、写真を見ながらなんとなく振り返ります。
自炊写真
- 3/22
- 当番: 先輩
チキントマト煮込みと卵焼き。
チキンは望んだ通りの濃い味。卵焼きは甘くもなくしょっぱくもなく優しい味でした。
掛け値無しに先輩の料理はマジでおいしかったです。
- 3/25
- 当番: 先輩
なぜか早速日が飛んでいるしまた当番が先輩です。
シンプルな肉じゃが。
おいしそうに見えるけど、見た目以上においしかったです。
先輩曰く「日本人は"だし"の味が好きなんだよ」とのことでした。
- 3/26
- 当番: 僕
じゃがいもとパプリカと玉ねぎとニンニクを炒めたもの。
家には常にニンニクがストックされていました。
ニンニクを使えばテキトーに炒めるだけでなんでもご飯が進むものができました。
- 3/27
- 当番: 先輩
前日僕が調子に乗って買って食べきれずに残したウィンナーを使ったペペロンチーノ。
前日は味がなくただ重たく感じたウィンナーがパスタと混じって肉厚で100万倍おいしく感じました。
- 3/28
- 当番: 僕
キャベツと豚バラを炒めたもの。
初めて豚バラを使用しました。
見た目は貧相でしたが豚バラのおいしさがすべてを救ってくれました。
- 3/29
- 当番: 先輩
日本から持ってきた麻婆玉子を使用。
ラー油の味が食欲をそそりました。
千切りキャベツ+マヨネーズは自炊感がありました。
- 3/30
- 当番: 僕
松茸のお吸い物を使ったパスタ。
お吸い物どうこうじゃなくてバターの味が強くておいしかったです。
- 3/31
- 当番: 僕
見た目通りいろいろ入れた料理なんですがこれも全部豚バラが持っていきました。
- 4/3
- 当番: 先輩
先輩がスーパーの肉コーナーで「プロシュートみたいに薄切りにしてほしい」と注文した薄切り牛肉を使った炒め物。
薄切り牛肉が欲しいけれどどうすればいいかわからずにググったら上記のように注文している記事を見つけたらしいです。
しかし「プロシュートみたいに薄切りにしてほしい」と注文したら「すき焼きみたいな感じ?」と聞き返されました。 「『すき焼きみたいに薄切りにして欲しい』って言えばいいのか」という気づきを得ました。
- 4/4
- 当番: 僕
先輩がリビングを掃除してくれたのでこの日からリビングで食べています。
日本から持ってきた鍋キューブを使った味噌味の鍋。
まさに理想の鍋の味でした。
野菜をぶち込んだだけですが幸せな味でした。
- 4/5
- 当番: 先輩
トマトチキンパスタ。
ニンニクが効いて理想的な味でした。
- 4/6
- 当番: 僕
あんかけの素を使ったけどケチったゆえトロみは出ず。
なにをどう料理したか忘れましたが大体おいしかった気がします。
- 4/6
- 当番: 先輩
親なし親子丼と餃子。
親が恋しかったですが、味付けがちゃんとしていておいしかったです。
- 4/7
- 当番: 僕
日本から持ってきた炊き込みご飯の素を使った炊き込みご飯と麻婆玉子とハッシュドポテト。
いろいろ使った割になんとなく貧相な見た目だけどおいしかったです。
特に炊き込みご飯は期待以上のものでした。
- 4/11
- 当番: 先輩
日本から持ってきたマルチャンラーメン with ねぎ + わかめ。
日本にいたら絶対に食べないんですが、これもアメリカではおいしく感じました。
日本っぽいものすべてがおいしく感じられました。
自炊総括
アメリカ生活はすべてのハードルが下がるので新しいことを始めるのには最高の環境ですね。
自炊しない僕でも気持ちよく自炊ができました。帰国したらしなくなりました。
これにてサンフランシスコ生活の振り返りは終了。
いやー、楽しかったですね。
サンフランシスコで働くことにそれほど魅力は感じないけど、サンフランシスコで働くことを目指すことは非常に魅力的だと思った
3月半ばから1ヶ月間サンフランシスコに行ってきました。
上記投稿でも書いたように、サンフランシスコに来る以前、僕は「サンフランシスコで働く」ことに興味がありませんでした。
強いていえば「かっこいい」ぐらいかな…?と。
そんな僕だけど、1ヶ月働いてみたら、ちょっと目指してみたくなりました。
サンフランシスコで働くことにそれほど魅力は感じませんが、
サンフランシスコで働くことを目指すことは非常に魅力的だと思いました。
社会人として日々何かと闘うなかで、みなさんはどんな目標を立てているのでしょうか。
例えば「一流のエンジニアになる」とか「世に轟くサービスを作る」とかあると思うんですが、抽象的で複雑です。
「目標に近づいてるの?」「どこまでいったら目標達成なの?」などの疑問が常に付きまといます。
「サンフランシスコで働く」という目標は非常にシンプルです。
目標がシンプルだと手段もシンプルに限られてきます。
- 英語を勉強する
- ビザを手に入れる
- サポートしてくれる会社を見つける
- 抽選で当てる
- アメリカ人と結婚する
サンフランシスコで働こうゲームみたいなものです。
まるで「数学のテストで100点をとる」とか「バスケの試合で勝つ」のようなシンプルさです。
多くの社会人にとってこのシンプルさは非常に魅力的に映るのではないでしょうか。
しかも達成したらちょっとかっこいい。
サンフランシスコを目指すみんなも、内心みんなその過程が楽しくて目指しているんじゃないかな?
サンフランシスコに行く前は「サンフランシスコで働く」を目指す気になれませんでしたが、行って帰ってみたら、予想していなかった動機で目指したくなりました。
日々の楽しみのため、不純でもなんでもシンプルな目標を立てたいですね。
以上。